【相続情報】⑱相続税対策と資産形成の視点からみる賃貸併用住宅
2026.11.05
賃貸併用住宅は、居住スペースと賃貸スペースを一体化させた不動産であり、相続対策の一手として検討されることがあります。うまく活用すれば、相続時の税負担を軽減できる可能性がある点が特徴です。
このタイプの不動産は、自宅専用の住宅とは性質が異なり、建物全体の利用方法に一定の制約が生じやすくなります。その影響から、一般的な持ち家と比較すると、相続税の評価額が抑えられるケースも見られます。
具体的には、賃貸として貸し出している部分については、入居者の権利(借家権)が考慮されるため、その分評価が下がる傾向があります。加えて、土地に関しても、賃貸利用されている範囲は「貸家建付地」として扱われ、評価額が減額される可能性があります。
さらに条件によっては、「小規模宅地等の特例」の適用が視野に入ることもあります。自宅部分については要件を満たせば大幅な評価減が認められる場合があり、賃貸部分についても貸付事業用宅地として一定の軽減措置が受けられる可能性があります。
また、税制面だけでなく収益面でもメリットがあります。賃貸部分から得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充てることで、日々の負担を抑えることができる場合があります。ローン完済後は、継続的な収入源として活用でき、将来的には生活資金の補完としても役立ちます。
一方で、同一建物内に自宅と賃貸部分が共存することから、設計や間取りに制限が生じやすく、一般的な住宅に比べると売却時や相続時の取り扱いが複雑になる傾向があります。
こうした点を踏まえると、賃貸併用住宅は単に節税や収益性だけで判断するのではなく、将来の資産の流動性や管理の手間なども含めて、多角的に検討することが重要だといえます。
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