【相続情報】⑪自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
2026.07.15
遺言書にはいくつかの作成方法がありますが、その中でも比較的利用しやすいものとして知られているのが「自筆証書遺言」です。
自筆証書遺言は、遺言者本人が遺言内容を作成し、署名・押印して完成させる方式です。
自宅で作成・保管できるため、費用を抑えながら準備できる点が大きな特徴といえます。
■自筆証書遺言で注意したいポイント
① 相続開始後、原則として家庭裁判所で「検認」の手続が必要になる
② 法律で定められた形式を満たしていない場合、遺言が無効となる可能性がある
③ 自宅保管の場合、紛失や改ざんのおそれがあるほか、家族に生前発見されるケースもある
このようなリスクを踏まえ、実務では別の方式が選択されることも少なくありません。
なお、自筆証書遺言については、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用した場合、家庭裁判所での検認が不要となります。
■公正証書遺言の特徴
専門家が関与するケースで多く利用されているのが、「公正証書遺言」です。
公正証書遺言は、公証人が遺言内容を確認しながら作成する方法で、公証役場において正式な公文書として作成されます。
この方式では、形式不備による無効リスクを抑えやすく、原本も公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配が少ない点がメリットです。
一方で、作成には一定の費用がかかり、事前準備や日程調整も必要になります。
また、公正証書遺言の場合は、相続開始後の家庭裁判所での検認手続は不要です。
■公正証書遺言作成の一般的な流れ
まずは、遺言の内容を整理することから始まります。
たとえば、
・誰に財産を承継させるのか
・どの財産をどのように分けるのか
といった点を明確にしていきます。
その後、印鑑証明書や戸籍資料、不動産資料(登記事項証明書・固定資産評価証明書など)、預貯金に関する資料などを準備します。
これらをもとに、専門家や公証人と内容を調整しながら文案を作成し、公証役場で正式な手続きを進めます。
最終的には、公証人が作成した遺言内容を確認し、署名・押印を行うことで、公正証書遺言が完成します。
遺言書は、単に作成するだけではなく、「内容が確実に実現できる形になっているか」も重要です。
ご自身の状況や財産内容に応じて、適切な方式を選択することが大切といえるでしょう。
相続・遺言に関するご相談は、ENGAGEMENT株式会社までお気軽にお問い合わせください。
※この記事は、公開時点の法令・制度に基づいて作成しています。